「温度感を揃える」という感覚(パート1)
「温度感を揃える」という表現は昔の上司がよく使っていた口癖です。
(今でもこの人だったらどういう判断をするかな?っていう感覚を持って仕事をしています)
一言聞いただけでは何を伝えようとしているのかよくわからないですよね。
ですが、この言葉に込められた意味を深く考えていくと、チームで働くなかで非常に大切な示唆が籠っている表現だなと感じました。
私はこの「温度感を揃える」という表現には以下の3つの意味が含まれていると考えています。
1. (関係者間の)情報のレベルを揃える
2. (関係者間で)向いている方向を揃える
3. (関係者間の)モチベーション・熱量を揃える
この記事シリーズでは上で挙げている3つの意味について詳しく解説していきたいと思います。
まずは一つ目の「情報のレベルを揃える」について、この記事でお話ししていきます.
「情報のレベルを揃える」とは
まず「情報のレベルを揃える」というのは仕事で関係する人全員が「自分と同じ量・質」にある状態にするということです。
これを実現するためには、例えば営業の立場の人が顧客と交渉しているケースを例にとると、顧客の要求、交渉の進捗具合、現在の顧客の交渉姿勢などを上司や製造などの実務部隊に共有し、彼らに把握してもらうことが必要になります。
ここで注意が必要なのが、情報のレベルを一度揃えたからといって油断してはいけないということです。当然、顧客の要求や交渉姿勢は時事刻々と変化していくので、状況に変化があった都度、情報を共有していくことが必要になります。
情報のレベルが揃わないとどうなる?
ではなぜ、みんなが同じレベルの情報を持っている必要があるのでしょうか。それは関係者の情報のレベルが揃わなければ、仕事における「ラグ」や行き違いによる「無駄」が起こってしまうためです。
例えば、あなたは食品の原料を製造する会社の営業担当だとして、商談の中で、お客さまに近々増産の意向がありその原料を追加発注したいニーズをつかんだとします。このニーズを捉えるために商談を進めていくと、お客さまから追加の発注を得ることができました。あなたはウキウキしながら製造担当に「お客さまから追加で発注を得られたので、⚪︎日までに⚪︎個追加で生産してほしい」ということを伝えたところ、製造担当から「そんなのは無理」と怒られ、結局、納期までに納品することができず、お客さまにも上司にも大目玉を受けてしまったというケース、皆さん似たような事例を見聞きしたことはないでしょうか。
この例は極端すぎるケースですが、どうすれば上の例のような事態を回避することができたのでしょうか。
その答えはより早い段階で工場の製造担当に自分が持っている情報(交渉過程・想定される顧客ニーズ)を伝えるということです。
情報のレベルを揃えるべきもう一つの理由
上の事例において、もしニーズを掴んだタイミングで工場の製造担当に次のように状況共有をしていたらどうだったでしょう?
「お客さまが製品増産のため、その原料となる我々の〇〇という商品について、追加で購入したいという情報を聞いた。現状では1ヶ月後までの納期で1,000個ほど追加発注が入りそうなので、増産のための計画を検討してほしい」
この情報を聞いた時、工場の製造担当は「1ヶ月後までに1,000個増産する必要がある」という考えのもと、この注文に対応するには実務的にどういう段取りを組む必要があるかを考えるでしょう。(少なくとも上司に上の情報を共有すれば、上司からこのような指示があるはずです。)
そうすると、あらかじめ製造担当から守ってほしい注意点、例えば「1,000個の増産には最低2週間はかかるので再来週までには受注を決めてほしい」などを共有してもらえるため、製造に無理が出ないような動きを図ることができ、製造からの信頼を得ることに繋げられます。
仕事は複数の関係者がそれぞれの専門領域で働きを果たすことで、1つの成果を出すことができます。そのため、関係者全員が一体となって動くことが成果の最大化には必要になります。「情報のレベルを揃える」というのはその最も基礎になる考え方になるのではないかと私は考えます。