帰納と演繹

突然ですが、皆さんは「帰納法」「演繹法」といった言葉は聞いたことがあるでしょうか。
もしかしたら高校の数学の授業とかで聞いたことがあるかもしれません。
これらは人間の思考の構築プロセスを示す言葉です。

ざっくりとした定義を紹介すると
帰納法:実験や観察などの「具体的な事例や事実」を基に「一般化された法則や結論」を導き出す方法
演繹法:「一般化された法則や原則」を基に「具体的な個別事例の対応方法」を導き出す方法
ということらしいです。
つまり、帰納法は「個別対応」から「共通原則」を出す、演繹法は「共通原則」から「個別対応」を出すという感覚で理解してもらえるといいかなと思います。

上記を踏まえれば、学校での授業ではどちらかというと「演繹法」的な思考をしている傾向が強かったのではないかなと思います。

さて、それでは皆さんの仕事場に目線を映してみましょう。上司の方や同僚はどのような発言をしているでしょうか。
「自分は経験がないから・・・」「経験を積み重ねればきっとできるようになる。」「自分は昔にした・・・という経験から」
といった言葉多く耳にしたことはないでしょうか。

ここまでを見て、お気づきの方も多いかと思いますが、日本のビジネスの現場は上のような「今までの経験」を「一般化」して理論化する帰納法の考え方が圧倒的に多く、演繹法の考え方(例えば本を読んで学んだ・・・というアイデアをこの事例に当てはめてみようという考え方)が非常に軽視されているように感じています。

株式会社壺中天の調査では日本の大人の約6割が月あたりの読書量が1冊以下であるといった調査もあるようです。
この事実からも「業務経験(=個別事象の蓄積)」を通した学習・思考法以外の学習手段・思考手段が軽視されていることが言えるのではないでしょうか。
(もちろん音声学習などの学習方法の整備も進んでいるので一概に言えないとは思いますが。)

もちろん帰納法的な考え方をするのが全くダメということではありません。
特に、事務職やエンジニアなどの実務を担当される方には、個別性の高い類似事象の集まりを一括りにできる帰納法的な考え方は非常に相性がいいと思います。
私が理想としているのは「帰納法」と「演繹法」を自由に行き来できる思考法です。
皆さんも帰納法的な考え方だけで行き詰まってしまう時には、読書や音声学習・動画などで新しい考え方を吸収しそれを個別業務に当てはめてみるような演繹法的な考え方をしてみるのはいかがでしょうか。